土地を相続した場合、相続税がいくらかかるのか不安を感じていませんか?所得税の税率が5~45%であるのに対し、相続税の税率は10~55%と高い傾向があるため不安に感じている方もいるでしょう。
ここでは、土地を相続した、あるいはその予定がある方向けに、相続税の計算方法や相続時に活用できる控除や特例、注意事項について解説します。土地に関する相続税が不安な方は、ぜひ最後までご一読ください。
基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数✕600万円 |
基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数✕600万円 |
相続税の計算は、まず課税遺産総額を計算して法定相続人全体の相続税額を計算します。そのあとに、実際に相続した財産割合で按分する流れになります。相続税の計算の流れと、計算方法について解説します。
課税遺産総額とは相続税の課税対象となる遺産の総額をいいます。
課税遺産総額は以下の計算式を使って計算します。
課税遺産総額=遺産総額-基礎控除額(3,000万円✕法定相続人の数✕600万円) 遺産総額=財産の総額-非課税財産-(債務+葬儀費用)+相続開始前7年以内に贈与を受けた財産の価格 |
※みなし相続財産 被相続人の死亡がきっかけで受け取る財産のこと(死亡保険金、死亡退職金など)
遺産総額より、基礎控除額のほうが大きい場合、相続税はかかりません。
次に課税遺産総額を法定相続分の割合にしたがって取得したと仮定し、各法定相続人の取得金額を計算します。
【法定相続分の割合】
配偶者と子どもが相続人の場合 | 配偶者1/2、子ども(2人以上のときは全員で)1/2 |
配偶者と直系尊属が相続人の場合 | 配偶者2/3、直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3 |
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合 | 配偶者3/4、直系尊属(2人以上のときは全員で)1/4 |
課税遺産総額が5,000万円、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、各人の取得金額は以下の通りです。
【配偶者】5,000万円✕1/2=2,500万円
【子どもA】5,000万円✕1/2✕1/2=1,250万円
【子どもB】5,000万円✕1/2✕1/2=1,250万円
また各人の取得金額に応じて、下記の相続税率を乗じて、税額を計算します。
【相続税の速算表】
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
【配偶者の税額】2,500万円✕15%-50万円=325万円
【子どもA の税額】1,250万円✕15%-50万円=137.5万円
【子どもBの税額】1,250万円✕15%-50万円=137.5万円
3人の相続税額を一旦合計します。
325万円+137.5万円+137.5万円=600万円
計算した相続税額を、実際に相続した金額で按分します。
【実際に相続した財産の割合が配偶者1/2、子どもA1/2、子どもBが0の場合】
【配偶者の税額】600万円✕1/2=300万円
【子どもAの税額】600万円✕1/2=300万円
【子どもBの税額】600万円✕0=0
したがって配偶者、子どもAの相続税額がそれぞれ300万円、子どもBの相続税額は0円となります。
ただし配偶者は配偶者の税額軽減があるため、このケースでは0円になります。
配偶者の税額軽減については後述します。
相続税の計算は、まず課税遺産総額を計算して法定相続人全体の相続税額を計算します。そのあとに、実際に相続した財産割合で按分する流れになります。相続税の計算の流れと、計算方法について解説します。
課税遺産総額とは相続税の課税対象となる遺産の総額をいいます。
課税遺産総額は以下の計算式を使って計算します。
課税遺産総額=遺産総額-基礎控除額(3,000万円✕法定相続人の数✕600万円) 遺産総額=財産の総額-非課税財産-(債務+葬儀費用)+相続開始前7年以内に贈与を受けた財産の価格 |
※みなし相続財産 被相続人の死亡がきっかけで受け取る財産のこと(死亡保険金、死亡退職金など)
遺産総額より、基礎控除額のほうが大きい場合、相続税はかかりません。
次に課税遺産総額を法定相続分の割合にしたがって取得したと仮定し、各法定相続人の取得金額を計算します。
【法定相続分の割合】
配偶者と子どもが相続人の場合 | 配偶者1/2、子ども(2人以上のときは全員で)1/2 |
配偶者と直系尊属が相続人の場合 | 配偶者2/3、直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3 |
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合 | 配偶者3/4、直系尊属(2人以上のときは全員で)1/4 |
課税遺産総額が5,000万円、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、各人の取得金額は以下の通りです。
【配偶者】5,000万円✕1/2=2,500万円
【子どもA】5,000万円✕1/2✕1/2=1,250万円
【子どもB】5,000万円✕1/2✕1/2=1,250万円
また各人の取得金額に応じて、下記の相続税率を乗じて、税額を計算します。
【相続税の速算表】
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
【配偶者の税額】2,500万円✕15%-50万円=325万円
【子どもA の税額】1,250万円✕15%-50万円=137.5万円
【子どもBの税額】1,250万円✕15%-50万円=137.5万円
3人の相続税額を一旦合計します。
325万円+137.5万円+137.5万円=600万円
計算した相続税額を、実際に相続した金額で按分します。
【実際に相続した財産の割合が配偶者1/2、子どもA1/2、子どもBが0の場合】
【配偶者の税額】600万円✕1/2=300万円
【子どもAの税額】600万円✕1/2=300万円
【子どもBの税額】600万円✕0=0
したがって配偶者、子どもAの相続税額がそれぞれ300万円、子どもBの相続税額は0円となります。
ただし配偶者は配偶者の税額軽減があるため、このケースでは0円になります。
配偶者の税額軽減については後述します。
土地の相続税評価額=路線価✕補正率✕面積(平米) 【計算例】 路線価14万円、奥行きが30メートル、幅15メートルで、普通住宅地区にある土地の場合 路線価14万円、補正率0.95(奥行きがあるため)✕450平米=土地の相続税評価額5,985万円 |
土地の相続税評価額=固定資産税評価額✕倍率 |
多くの都市部や住宅地は路線価方式を使って計算します。路線価方式とは国税庁のサイトで公表している相続税路線価をもとに計算をする方法です。
一方、相続税路線価が定められていないエリアでは倍率方式で計算をします。
【路線価方式の計算式】
土地の相続税評価額=路線価✕補正率✕面積(平米) 【計算例】 |
倍率方式は、国税庁のサイトで調べられる倍率と固定資産税評価額を乗じて計算します。
【倍率方式の計算式】
土地の相続税評価額=固定資産税評価額✕倍率 |
土地の形状などを含めた評価については、すでに固定資産税評価額に反映されているため、倍率方式は補正がありません。
相続直前の利用区分 | 要件 | 限度面積 | 減額割合 | ||
被相続人などの事業の用に供されていた宅地など | 貸付事業以外の事業用の宅地など | 特定事業用宅地などに該当する宅地など | 400平米 | 80% | |
貸付事業用の宅地など | 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業をのぞく)用の宅地など | 特定同族会社事業用宅地などに該当する宅地など | 400平米 | 80% | |
貸付事業用宅地などに該当する宅地など | 200平米 | 50% | |||
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地など | 貸付事業用宅地などに該当する宅地など | 200平米 | 50% | ||
被相続人等の貸付事業用の宅地など | 貸付事業用宅地などに該当する宅地など | 200平米 | 50% | ||
被相続人などの居住の用に供されていた宅地など | 特定居住用宅地などに該当する宅地など | 330平米 | 80% |
一般障害者:満85歳になるまでの年齢✕10万円 特別障害者:満85歳になるまでの年齢✕20万円 特別障害者とは障害の程度が特に重度の場合を指します。 |
相続直前の利用区分 | 要件 | 限度面積 | 減額割合 | ||
被相続人などの事業の用に供されていた宅地など | 貸付事業以外の事業用の宅地など | 特定事業用宅地などに該当する宅地など | 400平米 | 80% | |
貸付事業用の宅地など | 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業をのぞく)用の宅地など | 特定同族会社事業用宅地などに該当する宅地など | 400平米 | 80% | |
貸付事業用宅地などに該当する宅地など | 200平米 | 50% | |||
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地など | 貸付事業用宅地などに該当する宅地など | 200平米 | 50% | ||
被相続人等の貸付事業用の宅地など | 貸付事業用宅地などに該当する宅地など | 200平米 | 50% | ||
被相続人などの居住の用に供されていた宅地など | 特定居住用宅地などに該当する宅地など | 330平米 | 80% |
一般障害者:満85歳になるまでの年齢✕10万円 特別障害者:満85歳になるまでの年齢✕20万円 特別障害者とは障害の程度が特に重度の場合を指します。 |