税務トピックス

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不動産の4つの顔、その“並び方”の正体とは

前回、不動産には4つの顔がある、というお話をしました。
では、その顔たちは、いつも決まった順番で並んでいるのでしょうか。
今回は、4つの価格の関係性を読み解いていきます。

 

昨今の不動産価格の急上昇ですが、まず実勢価格が上昇し、それを追いかけるように公示価格、相続税評価額が上昇し、固定資産税評価額も数年遅れで上昇している状態です。

 

そしてその4種の価格は、原則として次のような順番になります。
実勢価格 > 公示価格 > 相続税評価額 > 固定資産税評価額
これは4つの顔の役割上、自然な並びとも言えます。

 

しかし、この序列が大きく崩れるケースも存在するのです。

 

パターン1:一番高いはずの実勢価格が一番低い
これは所有者や相続する人にとっては最悪なパターンです。
固定資産税もしっかり取られ、相続税評価額も高いのに売れない物件。
例えば・・・
・事故物件
・近隣で犯罪があった
・再建築不可
・衰退したリゾート地や別荘地
など、様々な理由があります。
相続税評価額に比べて、実際の取引価格は10分の1ほどになってしまう物件も確かに存在します。

 

パターン2:固定資産税評価額が高い
不動産市場が下落した場合、固定資産税評価額は3年に1度の評価替えのため、すぐには反映されません。
「全然売れないのに税金だけはしっかりかかる」という状態です。
最近の市場には関係のない話と思われるかもしれませんが、日本は過去に「バブル崩壊」を経験していますから、このまま価格上昇を続けた先にはそのような未来が待っているかもしれません。

 

パターン3:相続税評価額(路線価)が異常に高い
これはパターン1と似ているのですが、実勢価格が極端に低いというわけではないのですが、路線価の方が上回ってしまう場合です。
駅が近い商業地で路線価が強気に設定されているエリアに多く、その一方で、土地の形が悪かったり、高低差が大きかったり、建築制限が厳しかったりする場合です。
このような個別事情については路線価には反映されません。

 

このように、不動産の4つの顔は、必ずしもきれいな順番で並ぶとは限りません。
ただし、相続の場面では、その「納得しがたいズレ」に向き合うための仕組み(仮面)も用意されています。


次回は、特例や補正によって相続税評価額がどのように調整されるのかを見ていきたいと思います。

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